山梨県の後継者不在率の低下、手放しで安心してよいか?
こんにちは。堀之内総合会計・労務事務所代表の堀之内です。
コラム第4回目は、山梨県の後継者不在率について取り上げます。
帝国データバンクの調査によれば、2025年における山梨県企業の後継者不在率は47.5% で、前年から2.7ポイント低下しました。実は2024年は前年から1.5ポイント上昇していたのですが、2025年に反転して低下した形です。
この低下の背景には、事業承継・引継ぎ支援センターや地域の金融機関など、官民による承継支援の広がりがあると考えられます。相談窓口の普及や支援メニューの拡充などにより、小規模事業者にも情報が届き、経営者の意識変化を後押ししたことが、後継者不在率の低下につながったと考えられます。
しかし、手放しで安心もできません。理由は、コラム第2回で取り上げた、山梨県の休廃業・解散件数の増加にあります。2025年の休廃業・解散は463件となり、前年(428件)から8.2%増加、都道府県別の増加率では全国で2番目の高さとなりました。後継者不足により、やむを得ず休廃業を選択した会社も、この中に含まれていると考えられます。
さらに気になるのは、休廃業した企業のうち黒字だった企業の割合です。2025年は40.9%となり、前年(34.5%)から6.4ポイントも上昇しました。 経営が苦しくなりやむなく畳んだというより、「まだ余力があるうちに事業をたたむ」という判断をした企業が増えている可能性があります。
後継者不在率の低下と、休廃業・解散の増加、そして黒字廃業の増加が、同じ年に同時に起きているという事実は、見過ごせません。
後継者さえ見つかっていれば存続できたはずの会社が、この中にどれだけ含まれているかは分かりませんが、少なからず影響しているものと思われます。
山梨県の後継者不在率の改善は、「承継支援の拡充」と「後継者不在企業の退出」の両方が作用した結果であると改めて認識しておく必要があるかもしれません。
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