会社には5つの「出口」があります
こんにちは。
堀之内総合会計・労務事務所の堀之内です。
山梨県で中小企業の第三者承継の支援をしています。
コラム第8回は、改めて、会社の「出口」の話を整理してみたいと思います。
会社をどう終わらせるか、という話ではありません。
一旦事業を始めたら、必ずどこかで、出口の選択をしなければならない時が来ます。
出口戦略の決定は、 当代の経営の集大成と考えることもできます。
会社を起こし、成長させ、人を増やし、利益を出す。そして最後に、自分が築いてきた会社を今後どうするのか。
経営者として、考えておくべきテーマの一つです。
会社の出口は、大きく5つあります。
① IPO
一つ目は、IPO、株式上場です。
株式を市場に公開するという出口です。
ただし、これはごく一部の企業に限られる選択肢です。
多くの中小企業にとっては、現実的な出口とはいえません。
② 親族内承継
二つ目は、子供や親族に会社を引き継ぐ「親族内承継」です。
これまでは、中小企業の事業承継といえば、まず親族内承継を考えるのが一般的でした。
親族の中に経営を引き継ぐ意思と能力があれば、非常に有力な選択肢です。
しかし、この選択肢を取るには絶対の条件として「後継者が存在すること」が必要です。
現在は、子どもが会社を継がないというケースも珍しくありません。
後継者が決まっていない企業の休廃業・解散が増加していることは、社会的な課題にもなっています。
③ 第三者承継(M&A)
三つ目が、第三者に会社や事業を引き継ぐ「第三者承継」です。
いわゆるM&Aだけでなく、従業員や役員が会社を引き継ぐ「従業員承継」もここに含めています。
「子供が継がないなら、会社を終わらせるしかない」
そう考えるのではなく、 親族内承継が難しい場合には、第三者承継という選択肢があります。
現在の中小企業経営において、この選択肢を持っておくことは非常に重要です。
実際、事業承継の「脱ファミリー化」が進んでいるという見方も広まってきています。
日本企業の「後継者不在率」 過去最低の50.1% 「脱ファミリー」経営が加速 帝国データバンク 2025/11/21
④ 清算(自主廃業)
四つ目が、会社を清算して事業を終えるという選択肢です。
もちろん、すべての会社が承継を実現できるわけではありません。
親族内承継、第三者承継など、あらゆる可能性を検討したうえで、それでも難しいのであれば、会社を終わらせるという判断も考えられます。
ここで大切なのは、「後継者がいないから廃業(清算)する」と最初から決めないことです。
⑤ 倒産
最後が倒産です。
ただし、倒産は①~④とは少し性質が異なります。
資金繰りが行き詰まり、事業を継続できなくなった結果として、倒産に至ることがあります。
つまり、倒産は経営者が積極的に選択する出口ではありません。
あらゆる選択肢を検討できるかが重要
こうして整理すると、会社の出口は、
親族内承継 → 第三者承継 → 清算
という順番で検討することが基本になるのではないでしょうか。
もちろん、すべての会社がこの順番で進むわけではありません。
それでも、私は「親族内承継ができない=清算」ではないと考えています。
親族が継がないのであれば、その次に第三者承継という選択肢がある。
その選択肢を検討したうえで、清算という判断をする。
「親族内承継→清算」と進んでしまう会社に、「第三者承継」という選択肢を持っていただきたい。
私は、事業承継・M&Aに取り組む中で、強くそのように考えています。
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